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人事・労務・採用

2018.10.10

第10話 社員が労働基準監督署に相談すると言った時の企業対応

職場の生産性を下げるハラスメントの予防策

野崎大輔先生のセミナー開催が決定しました!

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中小オーナー社長のための 問題社員から会社を守る ハラスメント5大実務セミナー

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スポーツ業界で相次いでパワハラが表沙汰になっています。
中には「選手の甘えじゃないか!」と、選手の甘さを指摘する人もいます。
スポーツ界では監督は神のような存在だったのかもしれません。
やり過ぎと思える行為であっても仕方ないと黙認されてきました。
しかし、いわゆる理不尽なシゴキはもはや通用しなくなってきています。
携帯電話は10年前はガラケーが主流でしたが、今はスマホが主流です。
携帯電話ですら10年でかなり変化しているのです。時代は急激に変化してきているので、人間も時代に合わせて対応する必要があり、旧態依然でいると取り残されていきます。


学園ドラマにおける先生の指導法の変化

スポーツをテーマとした学園ドラマでも時代の変化を感じることができます。
スポ根学園ドラマの原点であるスクールウォーズは、京都の伏見工業高校をモデルとした弱小ラグビー部が花園で優勝するというドラマです。
109対0で負けた試合で滝沢先生が、試合終了後に負けてもヘラヘラしている部員を見て、全員を殴ったシーンがあります。校長や父兄も殴られている現場に居合わせていますが、止めたり、暴力だと言うことはなく、むしろ生徒への愛だと言っていました。

新聞記者から暴力教師と言われ、新聞に書かれそうになっても滝沢先生には愛があったからどんなに厳しくしごかれても生徒は信頼していましたし、パワハラなんて言う生徒はいませんでした。ドラマの中の話ではありますが、この時代では、体育会系では殴られるのは当たり前だという風潮があったのではないかと思います。

最近のスポ根ドラマは

・不良が甲子園を目指すルーキーズ
・全米制覇した福井商業高校のチアダンス部をドラマ化したチアダン

がありますが、スクールウォーズとは先生のスタンスが変わっています。

スクールウォーズでは先生がスパルタ指導で「あれをやれ、これをやれ」と引っ張っていく感じですが、ルーキーズやチアダンでは先生は「お前たちはどうしたいんだ?」と聞いて生徒の自主性を引き出したり、困った時にアドバイスをしています。
先生は生徒の自主性を育み、それを後押しする感じです。
怒鳴ったり殴ったりするということはほとんどなく、先生が怒るのは生徒が自分達で決めたことをやらなかったり、やっても無駄だと途中で投げ出しそうになった時です。

ドラマは世相を表していると思うのでこの違いは知っておく必要があります。
私は甘やかせということを言いたいのではなく、考え方を変えていく必要があるということを言いたいのです。最近のスポーツ界でのパワハラのニュースを見ると、権力を持ったがゆえに傍若無人のごとく振る舞った結果起きているような気がしてなりません。
相手のことを考えていない理不尽かつ無意味な指導はもう通用しないのです。


非がない場合は毅然とした対応を取るべし

スポーツ界のパワハラのニュースで加害容疑者は最初のうちは強く否定しているけれど、
ほぼ途中で謝罪しています。
真相は分かりませんが、いくつかパターンがあると思っています。

① パワハラだけれど本人はパワハラだと思っていない天然なケース
② 押し通せばなんとかなると思ったけど炎上したので途中で折れたケース
③ 周りからあの発言はヤバいですよ的なことを言われ、仕方なく謝ったケース

私が思うにいずれにせよ本当に反省はしていないと思います。
本当にやっていなかったら世間ではどう言われても折れないと思います。

企業で実際に社員からパワハラと言われてそれが言いがかりという場合、
私は社長、もしくは人事担当者に状況を確認したうえで

「パワハラの事実はないんですね?」

と念押しした上で然るべき対応をします。

「先生、社員が労基署に相談すると言っていますがどうしましょう。」

と言われても、

「会社に非がないのであれば行ってもらえばいいんじゃないですか!
労働基準監督署に呼び出されたら私も一緒に行って説明しますから。」

と言います。
過去にこのようなケースがあって、呼び出されましたが、行って説明したら監督官も理解してくれ、無事に解決できました。
私はパワハラのニュースで加害者が謝っているのを見た時に、
「非がないならこういう風に証明できるはずだよね」と思いながらニュースを見ています。

そもそも労働基準監督署の役割は、労働基準法に基づき労働条件や安全衛生の改善・指導、労災保険の給付などの業務を行う機関なのであって、職場のいじめやパワハラを解決する機関ではありません。

労働基準監督署内の総合労働相談コーナーでは相談や助言に留まりますので、会社との問題を直接解決してくれるわけではありませんが、相談者には相談内容や事案に応じて、解決方法を提示してくれます。
紛争調整委員会によるあっせんが行われる場合もありますが、会社に非がないのであれば、第三者を入れて客観的な視点がある下で事実証明をした方が良いと思います。

私は社員が労働基基準監督署に相談すると言ってきた時の会社の対応は重要だと考えています。非もないのに会社が「それは困る。」と言って穏便に対応するような日和ったことをすると相手に「脅せば良い条件を引き出せるかもしれない」と思わせることになりますし、
この対応を見ている他の社員にも「ごねれば何とかなる」と意識させるような悪影響を及ぼします。

私は仕事をする上では厳しさも必要だと思っています。
部下は上司には逆らえないので、上に立つ人は気分で叱るようなことはあってはならず、
自分を律する自制心が必要です。厳しさの根底に相手を思いやる気持ちがなければ単なるイジメ、シゴキとしか受け止められないでしょう。
もし正当な注意指導がパワハラと言われたのであれば、臆することなく正々堂々と対応すれば良いのです。

 

講師紹介

野崎大輔(日本労働教育総合研究所 所長 グラウンドワーク・パートナーズ株式会社 代表取締役)

上場企業の人事部でメンタルヘルス対策、問題社員対応などの労働問題の解決に従事した後に社労士事務所を開業。労働紛争予防解決のスペシャリストとして300件以上の問題社員対応、あっせん、組合対応等の労働問題を解決し、関与した顧問先については労働問題がほぼ発生しなくなる。 労働問題を発生させ...>もっと見る

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